知財経営シリーズ第1回

 
木島T&Bコンサルティングオフィス代表 木島研二

「知財の創出と活用」と中小企業の対応20195月)

知財は技術やノウハウの成果であり、技術や事業の優位性や競争力確保、顧客への訴求の有力な武器にもなる。アイコンニュースの記事の形で知財の概要、創出の取組み、支援制度、事業への活用、知財動向等を紹介していきたい。

1.知財に関する状況

昨今の事業環境の変化、顧客ニーズの多様化、企業間の競争激化、ICTの進展や技術革新等においては、知財の重要性や影響度は益々高まってくる。重要な視点は如何に「有力な知財を創出」し、「事業に有効に活用」していくかである。

大企業では事業の選択と集中、知財の重要度や優先度の検討から出願や権利化の絞り込みが行われ、クロスライセンスも重要となっている。保有している特許の棚卸しや有効活用への展開、出願件数や権利化の削減等により、知財コストも改善されている。

一方、中小・ベンチャー企業では知財に関する過大あるいは過小評価も見受けられ、出願や権利化そのものを目的化したり、逆に知財に関心を持たなかったりする企業も見られる。知財は、新製品開発や新規事業の立ち上げ、事業拡大に必要であるが、知財に関する実績やリソース不足の課題も抱えている。

また、海外進出においては、進出先の知財制度や出願・権利化状況を調査しておく必要がある。逆に、海外から日本国内への出願と権利化状況の把握も必要である。米中摩擦にあるように中国は知財の盗用・模倣国という見方もあるが、2017年には日本よりも国際出願数が多くなり、さまざまな分野で技術力が逆転しつつあるのも実態である。

2.知的資産と知的財産

知的財産権は公開して権利化、知的財産(一般)・知的資産は秘匿管理を考慮して利活用が一般的である。公開も秘匿もそれぞれ課題やリスクがあるため、自社の事業や技術から知財戦略を策定し、秘匿時の運用管理、公開による権利の利活用等を検討する必要がある。

 

テキスト ボックス: <公開と秘匿の判断>
自社又は他者の実施で以下の点を考慮する。
@模倣の容易性
A秘匿管理の確実性
B権利行使の容易性
ノウハウとして秘匿の場合は、その維持や改善、向上等により優位性や競争力を確保する必要がある。技術革新により秘匿が難しくなる場合もあり得る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


図表1. 知的資産と知的財産の構図

(中小企業基盤整備機構「知的資産経営マニュアル」より抜粋編集)