知財経営シリーズ第3回

 
木島T&Bコンサルティングオフィス代表 木島研二

「知財の創出と活用」と中小企業の対応  20197月)

今回は中小企業の知財に関する状況、特許庁の調査事例や支援施策等について記載した。

1.中小企業の知財出願状況(2015年特許庁報告書より)

国内特許出願件数に占める中小企業の割合は増加傾向であるが、平成25年時点で13%程度である。また、意匠は約1/3、商標は約1/2を占めている。一方で出願人数ベースでは、中小企業が半数を超えている。

中小企業の海外出願率(特許庁出願の割合)では、特許で約16%、商標で約3%であり、大企業ではそれぞれ約30%7%になっている。また平成25年度で、特許、意匠、商標を全て出願した中小企業は約2%、大企業では約16%と知財ミックス戦略の課題もある。

2.中小企業の知財活動の目的と効果

(平成26年特許庁調査報告「中小企業における知財活動状況」より引用)

   一方、知財活動の目的と効果として、中小企業は以下のような点を重視している。

3.特許庁の支援施策

 特許庁としても知財の活用や中小企業の支援を重視してきており、平成27年の「中小企業・地域知財支援研究会報告書」では、@支援メニュー整備、A知財総合支援窓口、B知財支援人材の育成、C支援策の普及の4つを活動方針として掲げている。

また、「特許庁における地域・中小企業に対する知財支援について」(平成29年特許庁)では、支援の狙いとして以下を挙げている。

@知的財産の取得・活用を促進することにより、中小企業のイノベーション創出を支援

A我が国の成長力向上に寄与するとともに、地方創生にも資することを目指す。

 さらに知財活動に対する支援の強化策として、1)知財総合支援窓口の機能強化、2)中小企業等の知財活動に対する支援、3)知財に着目した融資の円滑化、4)中小企業等の海外展開向け知財活動の推進、4)模倣品対策、を挙げていた。


 

知財経営・補講

 
 


〜 前303号で掲載の「知財の創出と活用」と中小企業の対応」の補講です。

『知財戦略、60社の事例集』の紹介

特許庁は国内外の企業の知的財産戦略の事例集をまとめています。企業の経営層や知財担当者へのヒアリング調査を2018年度から実施。約60社の事例を報告書に盛り込んでいます。

トヨタ自動車や米マイクロソフトなど約100社を調査したもので、多くの大企業が同業他社やスタートアップ企業との連携を知財戦略の一環に位置付けている傾向などが明らかになっています。624日に公表し、全国各地で順次説明会を開く予定です。

https://www.jpo.go.jp/support/example/keiei_senryaku_2019.html

 

経営における知的財産戦略事例集」について

「経営における知的財産戦略事例集」

貴社の経営と知財の距離は近いですか?

本事例集は、経営と知財を巧みに連携させて、両者の距離を縮める取り組みを実施している企業の知的財産戦略に関する事例を50以上掲載(うち海外企業は28事例)するとともに、7名の経営層によるメッセージを実名入りで掲載しています。

経営層や知財担当者が経営戦略や知財戦略を検討していく際に、自社の経営課題や体制・環境などに対応する事例をご活用ください。

·        ダウンロード(PDF46,288KB

https://www.jpo.go.jp/support/example/document/keiei_senryaku_2019/keiei_chizaisenryaku.pdf

·        全国47都道府県に設置している「知財総合支援窓口」や各経済産業局等の「知的財産室」において、6月下旬以降に無料で冊子版を配布します。ご希望の方はお近くの「知財総合支援窓口」や各経済産業局等の「知的財産室」までご連絡ください。なお、配布数には限りがございますので、予めご了承ください。

参考

·        知財総合支援窓口(外部サイトへリンク)

·        経済産業局等の知的財産室