知財経営シリーズ第6回

 
木島T&Bコンサルティングオフィス代表 木島研二

 

 

「知財の創出と活用」と中小企業の対応  201910月)

1.知財面を重視した診断

「知財の創出と活用」には知財の出願や権利化以前に、企業全体の診断や保有知財の棚卸し(整理や評価)が必要である。例えば以下のような診断内容が考えられる。

項 目

診 断 内 容

経営面

経営における知財の位置づけ、理念と方針、経営者の認識

事業面

事業戦略と知財、事業への活用、製品ライフサイクル、競争力

技術面

技術戦略と知財、知財の創出と管理、技術や知財の寿命

知財面

知財戦略

知財活動

保有知財

先行技術

 

戦略の有無、事業・技術戦略との関連、

知財の創出と活用の活動、目標や管理、

出願、権利化、ライセンス等の保有と活用の状況

他社知財の調査・分析と対応

顧客対応・営業

営業秘密、顧客情報と知財、顧客ニーズ対応、契約関連

生産管理・製造

製造ノウハウや情報管理、品質管理

運営管理・組織体制

知財管理、知財活動、知財人材と育成

取引先・連携先

共同知財、情報管理、知財の利活用、契約関連

 

2.最近の知財動向事例:特許法の一部改正について/経産省

(背景)産業財産権に関する訴訟制度を改善するとともに、デジタル技術を活用したデザインの保護や、ブランド構築等のため、意匠制度等を強化する。

1)特許法の一部改正

@特許権の侵害の可能性がある場合、中立な技術専門家が、被疑侵害者の工場等に立ち入り、特許権の侵害立証に必要な調査を行い、裁判所に報告書を提出する制度を創設する。

A侵害者が販売した数量のうち、特許権者の生産能力等を超えるとして賠償が否定されていた部分について、侵害者にライセンスしたとみなして、損害賠償を請求できる。

実用新案法、意匠法及び商標法において同旨の改正を実施する。

2)意匠法の一部改正

@保護対象の拡充:物品に記録・表示されていない画像や、建築物の外観・内装のデザインを、新たに意匠法の保護対象とする。

A関連意匠制度の見直し:関連意匠の出願可能期間を、本意匠の登録の公表日まで(8か月程度)から、本意匠の出願日から10年以内までに延長。

B意匠権の存続期間の変更:「登録日から20年」から「出願日から25年」に変更。

C意匠登録出願手続の簡素化:複数の意匠の一括出願を認める。

D間接侵害※規定の拡充

※侵害を誘発する蓋然性が極めて高い予備的・幇助的行為を侵害とみなす制度

  知財経営・補講

 
 

 


〜 前号で掲載の「知財の創出と活用」と中小企業の対応」の補講です。

    出典:特許庁

https://www.jpo.go.jp/support/chusho/bunseki.html

 

特許情報の分析活用を支援します

中小企業等にとって費用負担が大きい先行技術文献等の特許情報分析支援を通じ、中小企業等の研究開発戦略の策定、オープン・クローズ戦略等を含む出願戦略の策定及び権利取得可能性判断を包括的に支援します。

1. 背景・事業の目的

中小企業等の知的財産活動における「研究開発」、「出願」及び「審査請求」の各段階のニーズに応じた包括的な特許情報分析を支援することで、研究開発投資の重点化、中小企業等の技術のオープン・クローズ戦略等、出願戦略の策定及び中小企業等の権利取得判断を支援することを本事業の目的としています。

2. 事業の概要

中小企業等にとって、技術的専門性が高く、また、費用負担が重い特許情報分析について、「研究開発」、「出願」及び「審査請求」の各段階のニーズに応じた包括的な支援を行います。

1.   「研究開発」段階では、特許情報を活用した中小企業等の研究開発戦略の策定を支援し、効果的な研究開発投資を促します。

2.   「出願」段階では、中小企業等のオープン・クローズ戦略等、出願戦略の策定を支援し、効果的な知財活用を推進します。

3.   「審査請求」段階では、出願内容に関連する特許情報分析を通じ、中小企業等の権利取得判断を支援します(一部自己負担あり)。

4. 支援事例集

·        平成30年度特許情報分析による中小企業等支援事例集(PDF:19,321KB

·         平成29年度特許情報分析による中小企業等支援事例集(PDF:14,969KB

·        平成28年度特許情報分析による中小企業等支援事例集(PDF:20,518KB

[更新日 2019710日]

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特許庁普及支援課支援企画班

電話:03-3581-1101 内線2145